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フジのX-Transセンサーはクソなのか?

この記事はオーストラリア在住の写真家Adrian Evans氏のサイトの
Fuji’s X-Trans sensor sucks? (Part 1 ? Moire and Details)
Fuji’s X-Trans sensor sucks? (Part 2 ? Details smearing, Noise and Lightroom)
Fuji’s X-Trans sensor sucks? (PART 3 ? Lightroom vs The World)
を和訳したものです。

富士フイルムのX-Transセンサーについて詳細に検証・検討した日本語のサイトが見当たらなかったので和訳して公開することにしました。

上手く訳せていないところがありますし、端折っている箇所もあるので英語が読める方はEvans氏の記事を読んだ方が良いと思います。
また、画像は上記記事で見てください。



パート1 - モアレとディテール

「フジのセンサーはひどい!」
「フジにベイヤーセンサーのカメラを作ってほしい!」
「LightroomはX-Transファイルを扱えない」
「イモムシ!塗り絵!X-Transはクソだ!」
フジのX-Transセンサーに対してよく言われる不満である。私はこれらが改善されているのかまたそもそも本当なのか調べていこうと思う。

X-Transセンサーについての不満をトロールくんに代弁してもらうことにしよう。これは筆者の遊び心である。

他社のRAWファイルと比較するためにDPReviewのスタジオシーンの画像を使って比較していく。

本稿の中で多くの35mmフルフレームのカメラと比較しているが、フルフレームと小さなセンサーの比較を目的としているわけではない。X-Transとベイヤーの比較が目的である。

(訳者注記 X-Transセンサーについての説明は省略します。)

モアレの比較
トロールくん曰く「モアレが出ないとしてもX-Transはクソだ!」

DPReviewのテストチャートの部分を比較する。
X-Transの画像にはモアレが全く見えない。
テストチャートだけでなく、線画など細かい模様を持つ他の箇所でもモアレは見られない。

ベイヤーセンサーでは線画の壁の細かい線にモアレによる偽色を発生している。
5DsrとA7RIIが最も悪い。APC-Sのカメラはまずまず良いが僅かにモアレが発生している。
7DIIが最もモアレが少ないがディテールも失っている(おそらくローパスフィルターが入っているのであろう)。
X-Pro2はA6300と比べると幾分ディテールを失っているようである。

ディテールの比較
トロールくん曰く「X-Transはクソだからディテールが無い!」

X-Transのファイルはベイヤーセンサーとは異なるアプローチを必要とする(例えば、Lightroomの"Details"スライダーをベイヤーセンサーの時にする以上に強くする)のだが、DPReviewがX-TransのRAWファイルを適切に扱えていると信頼できないのでRAWファイルをダウンロードし自分で現像した。

現像は以下の方法・パラメータで行った。
・RAWファイルをLRで読み込む。
・NRとSharpeningはOFFする。
・ProfileはAdobe Standardをセットする。
どの画像がどの機種のものか分からないようにして、可能な限りブラインドテストを行った。

低画素数グループ
1位:A6300とX-Pro2(A6300はディテールが豊富、X-Pro2はモアレが少ない)
 A6300…シャープネスは良い。大きなモアレがディテールに影響している。
 X-Pro2…モアレは非常に少ない。ディテールはA6300より僅かに悪い。全体的なシャープネスはA6300より良い。
2位:7D markII 若干ソフト。幾分のモアレとノイズがディテールに影響している。
3位:D500 このグループの中で最もシャープ。モアレが最も大きい。僅かなシャープ化歪みが見られることから、RAWレベルでシャープ処理が加えられている。

(訳者注記 D500がRAWレベルで加工されているという主張には私は懐疑的です。モアレが大きいのはニコン機の多くに共通して見られる特徴なのでカラーフィルタあるいはレンズなど他の要因があるのかもしれません。)

中画素数グループ
1位:K-1(リアレゾ)全機種中でベストの一つだ。シャープでモアレが無い。
2位:K-1(通常) D810よりシャープさが無いが、モアレが少ない点が良い。
3位:D810 良いのであるが、私見ではK-1の方が良い。K-1(リアレゾ)よりシャープさが無くモアレが出ている。

高画素数グループ
1位:5Dsr…シャープでディテールが豊富。モアレがディテールを阻害している。
2位:A7rII…5Dsrよりシャープではない。やはりモアレがディテールを阻害している。

結論「X-Transセンサーはディテールを損なわない」

20~24MPグループの中でX-Pro2は他社の機種に引けを取っていなかった。
ではフルフレームの低画素機であるCanon 6D (20MP)やNikon D750 (24MP)と比較するとどうだろうか。

D750…若干ソフト。大きなモアレがディテールを阻害している。
6D…D750よりソフトでディテールを失っている。モアレがディテールに影響している。
X-Pro2…D750よりソフトで6Dよりシャープ。モアレは無い。ディテールはフルフレーム機と同等である。

結論「フルフレームより小さいセンサであることは、必ずしもディテールに影響するわけではない」

パート1の結論
X-Transはモアレを回避できるという明確なアドバンテージを持っている。これは細かな線や細部のディテールを保持することに役立っている。もちろん高画素数機種には敵わない。もしさらに分解能を求めるなら高画素数機種を使うのが良いだろう。
しかしながらX-Transセンサーがベイヤーセンサーよりディテールで劣ると示すサンプルはなかった。X-Transのディテールは多くのケースで改善していると思う。


パート2 - ディテールのつぶれ・ノイズとLightroom
トロールくん曰く「X-Transはクソ!いつも葉っぱがつぶれる!!!ノイズまみれ!特にLightroomでは使いものにならない。Jpegの方がまだマシ」

他のカメラとの比較
ベイヤーセンサーの画像に対してはシャープ化セット(aka Lightroom default)を使った。

5Dsr…ディテールが豊富。とてもシャープ。細部までディテールが明瞭。(もっとも画素数が多い。)
D750…わずかにソフトで幾分つぶれがある。塗りつぶしは無い。
A7rII…シャープ。ディテールが明瞭。つぶれは無い。(ピクセル当たりの性能はもっとも良い。)
X-Pr2…シャープ。細部の小さなつぶれ。ディテールは明瞭。
A6300…シャープ。つぶれは無い。ディテールは明瞭。
K-1(通常撮影)…わずかにソフト。にじみがある。幾分ディテールが損失している。(もっとも悪い)

A7rIIが好ましい。
X-Pro2は悪くない。塗りつぶしは見られない。
A6300はX-Pro2より若干良い。

結論「どれも特別ひどくない。塗りつぶしやイモムシなども無い。」

X-Transファイルのセッティングを変えてみたらどうなるだろうか?同じ画素数でカラーフィルタ配列が違うだけの同じセンサーと言われるA6300と比べてみよう。
X-Pro2のファイルは私の好きな高解像セッティングで現像した。
微妙な違いを見つけるのは難しいが、新しいセッティングでは小さなつぶれが減少しディテールを引き出せている。X-Pro2はA6300に匹敵するかより良いとさえ思える。
トロールくん曰く「X-T1のつぶれはひどかったぞ!」

新しいセンサーはディテールのつぶれや塗りつぶしなどを軽減する何かを持っているのではないだろうか?
古いセンサーのX-T1の画像と見比べてみよう。
これはひどい。イモムシと塗り絵と見たければX-T1の画像を見ればよい。

(訳者注記 X-T1とX-Pro2の差は特別な何かがあるのではなく、画素数の増加による順当な進歩のように思えます。)


X-T1のシャープネスを引き上げるセッティング

シャープネスを引き上げるためには"Sharpening"の"amount"を上げるのが一般的だ。結果はこのようになる。

X-Transのディテールを引き出すためには"Detail"と"Radius"を上げる方法もよく知られている。
このセッティングも奇妙な乱れを発生させることなくディテールを引き出せると思われる。

結論「Sharpeningの"Amount"の上げるのではなく、"Detail"を上げよう」

ノイズ

トロールくん曰く「X-Transはノイジー、他社のカメラの方がよっぽどマシだ!」

X-Transセンサーのノイズはどうだろうか?ライバルたちと比べてみよう。
ISO 12800のファイルをDPReviewからダウンロードして、LightroomでsharpeningとNRをオフにして現像した。

ピクセル当たりのノイズ

参考として400asaフィルムのノイズを見てみよう。
フィルムのグレイン(粒状感)は完全に均一ではないことが分かる。

結論「グレインノイズを恐れる必要はない

粒状感は主観的なものであり、許容量は人によって異なる。
フィルムライクなランダムさとつぶれ/ディテールの損失の少なさを重視して私の好みで順位付けする。

1. D500 スムーズなグレイン。輝度ノイズ、カラーノイズが多すぎない。グレインの中にまずまずのディテール。
2. D750 D500に似ている。ソフトな分順位が低い。
3. A7rII ディテールがある。わずかに塊状のグレインがある。フィルムライクなグレイン。
4. D810 悪くないがA7rIIより塊状のグレイン。フィルムライクなグレイン。
5. 6D D750より塊状のグレイン。A7rIIよりソフト。グレインは少なくスムーズだがこの中で最もソフトなので順位は低い。
6. 7DII X-Pro2に似ているがソフトではない。カラーノイズはX-Pro2より多い。グレインはX-Pro2より少ない。フィルムライクなグレイン。
7. X-Pro2 カラーノイズは少ない。わずかにソフトなので順位は低い。フィルムライクなグレイン。
8. A6300 7DIIやX-Pro2に非常に近いがソフト。
9. 5Dsr ノイズが顕著。フィルムライクなグレイン。
10. K-1 均一でないグレイン。ソフト。カラーノイズが多すぎる。

A7rII、D810、X-Pro2、7DII、5Dsrがもっともフィルムライクなグレインだと感じる。グレインがスムーズなわけではないが、フィルムのようなランダム性を持っている。
6D、A6300、D750、K-1はスムーズであるがソフトだった。
D500が良いグレイン、ソフトさ、カラーノイズの少なさのベストバランスを実現していると感じる。

結論「どの機種のISO 12800も許容範囲内である」

実際の木を撮影した画像


トロールくん曰く「RAWなんでばかげている。フジはJpegの方がまだマシだ!!!!!」

X-Pro2以降の機種ではボディ内現像のJpegとほとんど同じ色をLightroomで出せる。
もう一度LightroomとフジのJpegを比べてみよう。

Pro Neg Stdで撮影したJpegとRAWを比較する。
(レンズはXF90 f/2、F/8、ISO 200、三脚を使用)

Pro Neg Stdのプロファイルを読み込んで、コントラストを-85すると非常に近い画像になった。
通常コントラストだけを調整すればOKだ。

等倍表示して比較してみよう。
Pro Neg Stdは取り立ててシャープではないが、Lightroomの現像はフジのJpegにとても近い。
塗りつぶしやイモムシは見当たらない、そして若干シャープだ。

もう少しシャープに振ってみよう。
まだOKに見える。若干だがより精細になった。まだ塗りつぶしやイモムシは見当たらない。

次に遠景の木はどうだろうか?

最後のサンプル画像には塗りつぶしがあるように見える。しかし悪くはない。

ノイズ・リダクションの掛けすぎが画質低下の原因ではないだろうか?
試しにシャープニングとNRを強くしてみよう。
ああ、これは酷い。Lightroomを使うならNRには特に気を付けなければいけない。
そしてもう一度言おう、グレインノイズを恐れてはいけない。

もう一つ、NRをオフにしてシャープニングを100にしてみよう。
こうするとイモムシが現れる。

結論「忌々しいシャープニングスライダーを押してはいけない。そしてNRに注意しよう。」


パート2の結論
X-Transセンサーはディテールが無かったり葉っぱがつぶれたりする証拠は見つけられなかった。
Lightroomで処理した場合でも葉の描写は良いものだった。
X-Transはもっともノイズが少ないセンサーではないがけっして悪くないし、
カラーノイズが少なくてとてもフィルムライクなグレインである。

Lightroomでイジりすぎていることが塗り絵とイモムシの原因であるという証拠を見つけた。
LightroomはX-Transを正しく扱えないという不満を聞くことがあるがそうではなくて、
ちょっと間違えるとひどい結果になってしまうだけだと確信している。
X-Transのノイズが少ないに越したことはない。なぜならNRを強くかけてノイズを消してしまおうとする人が居て、それは塗り絵を引き起こしてしまうのだから。
また、恐ろしいイモムシを引き起こさないために、シャープニングの強くかけすぎてはいけないことを覚えておかなければならない。その代わりに"detail"を強くしよう。100まで上げても構わない。

LightroomのシャープニングとNRは知らず知らずの内にやりすぎてしまうほど効果が大きい。
Lightroomは大きく進歩している。Lightroomはフジの色をほぼ再現できる。

しかしLightroomより上手くX-TransのRAWを現像できるアプリケーションがあるかもしれない。
パート3ではそれを調べてみよう。

パート3 - Lightroomと他の現像アプリの比較

トロールくん曰く「Lightroomは最悪だ!すべてを台無しにする。他のども現像エンジンでもまだマシだよ!!!」

パート2までの検証で、他のセンサーに比べてX-Transがクソではないことを明らかにすることができた。
では、LightroomはX-Transを上手く扱えない。他の現像エンジンの方が良いという意見についてはどうだろうか?
確かに以前はそうだったかもしれない。しかし今は違う。それを見ていこう。

他のアプリケーションとの比較

注記:私の主観的な意見であることに注意されたい。
もしあなたの好きなアプリケーションと違ってもそれが悪いというわけではない。

使用したアプリケーションとバージョン
Lightroom CC 2015.6
Photo Ninja 64 1.3.4
Iridient Developer 3.1
RAW Therapee 4.2.1148
Capture One Pro 9.2
Silkypix Developer Studio Pro 7.0.6.0
Jpeg from the camera

比較方法:
調整無しの現像処理を見たいので各アプリケーションのデフォルトの読み込みセッティングを使用する。
私の得手不得手が出ないので一番公平な方法であると思う。

今回もどのアプリケーションで現像した画像か分からないようにして比較を行った。

自分で撮った画像を使いたかったが、いくつかのアプリケーションがX-Pro2の圧縮RAWを読み込めないため今回もDPReviewからISO200のRAWをダウンロードして使った。

イラストの比較

1位 Iridient 最もシャープ。ディテールを失っていない。コントラストが高い。
2位 Lightroom 2番目にシャープ。黄身がかっていない。ディテールが良い。
3位 RAW Therapee 3番目にディテールが良い。
4位 Jpeg もっともソフト。壁のディテールを失っている。ディテールが足りない。黄身がかっていない。
5位 PhotoNinja 若干黄身がかっている。ディテールが良い。いくらか塗りつぶしがある。。
6位 Capture One 黄身がかっている。いくらか塗りつぶしがある。コントラストが強すぎる。
7位 SilkyPix 黄身がかっている。かなりソフト。悪くはないがこの中では最下位。

どれも良い画像だがIridientが明確に勝者だ。PhotoNinjaとCapture Oneを悪く書いたが、調整すればよくなるだろう。

葉っぱの比較

1位 Iridient 全体的に良い。ディテールが良く出ている。
2位 RAW Therapee シャープネスとディテールはIridientに及ばないが、ディテールは保持できている。
3位 Lightroom わずかにソフトで広い範囲でディテールが欠落している。細部が幾分塗り潰されている。
4位 Photo Ninja 非常に精細。若干コントラストが強く暗部に乱れがある。
5位 Jpeg ディテールが大きく失われている。幾分わずかな塗りつぶしがある。
6位 Capture One 細部の塗りつぶしがもっとも大きい。それ以外のディテールは良い。
7位 Silky Pix 精細感が低い。細部の塗りつぶしが悪い。

印刷された文字の比較

1位 Iridient 乱れが無くシャープでコントラストが高い。
2位 Photo Ninja 非常にクリア。偽色が出ていない。Iridientよりコントラストとシャープネスが低いが、細部は維持されている。
3位 Lightroom PhotoNinjaよりコントラストがわずかに良い。Capture Oneより乱れ/偽色がわずかに少ない。
4位 Silky Pix 全体的にディテールが良い。わずかな汚れとコントラストの低さが良くない。
5位 Jpeg 目立ってシャープではないがシャープ化による乱れがなく細部を維持できている。
6位 Capture One シャープさはIridientと並んで良いが、偽色が出ている。シャープネスが強すぎて細部に乱れが出ている。コントラストは最も高い。
7位 RAW Therapee 偽色が出すぎている。文字が混ざっていて見えづらい。

総合ランキング

それぞれの項目の1位を7点、2位を6点、3位を…として総合ランキングを作った。
くどいようだがこれは私の意見だ。あなたの順位とは違うかもしれない。

1位 Iridient (21点)
2位 Lightroom (16点)
3位 Photo Ninja (13点)
4位 RAW Therapee (12点)
5位 Jpeg (10点)
6位 Silky Pix and Capture One (6点)

(訳者注記 この時点では点数が低かったCapture Oneですが、最適なパラメータで現像することによってLightroomを凌ぐ現像を実現できるようです。Evans氏の12月の記事をお読みください。)

パート3の結論

Lightroomはとても良い選択だ。他のアプリケーションと同等かより良い。

Iridientにはとても感心を受けた。LightroomでIridientと同じ結果を得られるか試みてみたが、依然としてIridientはLightroomに勝っていた。残念なことに私はMacを使っていない。

以前のバージョンでは様々な問題があったが、現在はLightroomが他より悪くないことは喜ばしい。
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